就職活動において、自動車免許を保持しているかどうかは選択の幅に影響します。運送業や営業の外回りに従事するのであれば言わずもがなですが、内勤志望であっても免許は武器になります。免許以外の評価が同等であれば、会社は免許保持者を採用するでしょう。どのような仕事であっても、運転する機会が訪れないとは限りません。取得するのが無難であるのは確かです。
会社にとって採用者が免許を保持していることのメリットには、車を運転させられることに加え、取得までの困難を乗り越えているという証明も含まれます。自動車学校に入学すれば、前半で技能教習を15時限(ATで12時限)、学科を9時限受けなければなりません。後半でも技能教習を19時限、学科を16時限受講しなければならず、決して容易な道のりではありません。さらに仮免の修了検定、効果測定、学科試験、技能試験、卒業検定の全てを緊張する中突破した上で、地元の本免学科試験に合格する必要があります。免許の保持は、社会人として生き抜いていく力を持っているかを測る材料の一つになるというわけです。
最近よく耳にするのが、「若い人はすぐに諦める」という噂です。もちろん根拠のない話ではありますが、自動車学校や教育実習をリタイアする人が少なからずいることも事実です。会社としてはすぐに退職するような人を採用するのだけは避けたいものです。新人研修直後にでも退職されれば、会社としては得られるものが何もないどころか、大変な損失になるからです。
また免許の取得過程で視野が広がったと評価されることもあります。学問もビジネスも、視野狭窄に陥ったままでは、何も創造することができません。自動車を運転して初めて、歩行者がドライバーの目にどのように映るのかが分かります。経験の浅い若者にとっては貴重な体験となるはずです。